権力の暴走を縛る決まり
長い歳月、テレビ報道に関わってきた端くれの一人として、今、実感していることを記します。僕にとっては正直、日本国憲法が自分のなかで、それほど切迫した問題として意識されたことはあまりなかったのです。いわば空気のようなものでした。しかし、人間を含む生き物たちは、空気が欠乏すると息苦しくなり、完全に断たれると死に至ります。日本国憲法のもつ歴史的な重み、そして権力の暴走を縛る決まりであることの役割を、今ほど切実に認識させられたことはありません。個人よりも国家を、自由よりも秩序を、と叫ぶ彼ら。憲法をまずは知ろうよという「あすわか」の取り組みは、この酸欠状況のなかで、実に魅力的な輝きを放っていると思います。